日本酒の飲み方 日本酒紹介 日本酒を知る 投稿日:2023年09月04日(月)

日本酒のランクって何?日本酒のランクの分け方やおすすめ商品を紹介

さくら酒店編集部

日本酒を購入する際、大吟醸酒や本醸造酒などの記載を見て何かと疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

ここでは日本酒のランクを種類ごとに分けて紹介します。
日本酒は主に9種類に分けることができ、それぞれで味や香りが異なります。

この記事では日本酒のランクの特徴を解説するとともに、おすすめ商品も紹介しますので是非参考にしてみてください。

日本酒のランクとは

現在の日本酒のランクは、大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)や純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ)などの8つの特定名称酒と、特定名称酒には該当しない普通酒を合わせた9種類が使われています。
特定名称とは、日本酒を造る上で必要となる原料や精米歩合、醸造法などを基準としてできた名称のことです。
この名称はさまざまなメーカーで統一された基準となっています。

精米歩合とは

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精米は米を磨くことを意味する言葉です。米を精米してどのくらい残すかを割合(%)で表したものを精米歩合といいます。
すなわち、精米歩合の割合が小さくなればなるほど、多くの部分が削れたということになります。
より詳しい精米歩合については下の記事を参考にしてみてください。
▶精米歩合とは?基礎知識からマニアックな知識まで徹底解説

日本酒の原料について

日本酒の原料は主に米・水・米麹・酵母菌・乳酸菌です。
作り方は米麹の酵素の力を利用して、米のデンプンを糖(ブドウ糖)に変えます。また同時に、酵母菌や乳酸菌を加えることでアルコール発酵を行っています。

また、商品によっては先ほどの材料以外の原料も使います。
例えば、醸造用アルコールです。
醸造用アルコールとは、主にサトウキビを原料として発酵させた純度の高いアルコールのことです。

醸造用アルコールはサトウキビの味や香りは少なく、透き通った味わいをしています。
また、飲んだときに感じる、すっきりとした爽快感も特徴です。
その理由として、日本酒に含まれる糖や酸による雑味の部分を醸造用アルコールが抑えてくれるためと言われています。
以下の記事では分類ごとに有名な日本酒を紹介していますので、気になった方は読んでみてください。
▶有名な日本酒を分類ごとにご紹介!大吟醸・吟醸・本醸造の違いとは?

日本酒ランクの種類

実際に日本酒を9種類のランクに分けて、それぞれの特徴を紹介します。

純米大吟醸酒

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造られ方:米と米麹のみ
原材料:米、米麹
精米歩合:50%以下
味の特徴:精米歩合50% 以下なので、すっきりとした味わいになる傾向が多いです。
日本酒を初めて飲む方や飲み慣れていない方にとっては、比較的飲みやすいのでおすすめです。

しかし、お米を削る手間が他と比べかかってしまうため、コストが上がることが多い傾向にあります。
ですので、お試しサイズを購入して試しに飲んでみるという工夫も良いと思います。

純米吟醸酒

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原材料:米、米麹
精米歩合:60%以下
味の特徴:純米大吟醸酒よりも米のほんのりとした甘みとうま味が口の中に広がり、飲みやすさが特徴です。
また、日本酒本来の穏やかな風味と華やかな香りのバランスの良さが特徴。
さらに、純米吟醸酒は10度から25度くらいで飲むと米の風味を1番感じやすくおすすめです。

大吟醸酒

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原材料:米、米麹、醸造用アルコール
精米歩合:50%以下
味の特徴:大吟醸酒は米,米麹,水に加えて、醸造用アルコールを用います。
また、精米歩合が低いので、日本酒の香り高さや透明感を感じることができます。
そのため、サラッと飲みやすいのが特徴です。

特別純米酒

原材料:米、米麹
精米歩合:60%以下または特別な製造方法
味の特徴:特別な製造方法に関しては、これといった方法はありません。
蔵元の判断で、「特別」かそうでないかを決められます。
例えば、農薬、化学肥料の使用を抑えた特別栽培米を原料にしているものや長期低温発酵で造られているものなどです。
蔵元のこだわりを一層味わいたい方へおすすめです。

純米酒

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原材料:米、米麹
精米歩合:規定なし
味の特徴:存分に米の甘みやうま味を感じることができます。
また、日本酒の自然な香りを楽しめるという特徴もあります。

純米酒は米と米麹、水だけで造られているので米に合う料理全般に合います。
例えば和食はもちろん中華、洋食なども相性が良い料理です。
是非、あなたに合った、料理と日本酒の組み合わせを見つけてみてください。

特別本醸造酒

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原材料:米、米麹、醸造用アルコール
精米歩合:60%以下または特別な製造方法
味の特徴:特別純米酒と同様に銘柄によって、さまざまなこだわりがある日本酒です。
味わいはすっきりとしたものや濃厚なものまでさまざまです。
味や香りの幅が広いので、お気に入りのものを探してみてください。

本醸造酒

原材料:米、米麹、醸造用アルコール
精米歩合:70%以下
味の特徴:純米酒に近い風味と香りを持っています。
また、醸造アルコールを使用しているので、純米酒よりもすっきりとした淡麗ものが多いです。お米による濃厚な風味と醸造アルコールによる爽快感を同時に味わいたい方におすすめです。
さらに、本醸造酒は飲み方の幅が広いことも特徴で、特に15度〜50度で楽しめます。

吟醸酒

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原材料:米、米麹、醸造用アルコール
精米歩合:60%以下
味の特徴:吟醸酒は大吟醸酒と本醸造酒の中間の味わいが特徴です。
大吟醸酒のすっきりとした味わいと、本醸造酒のお米のまろやかな風味のコントラストが特徴です。

普通酒(例外)

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※普通酒は特定名称酒には入らないので注意が必要です。
普通酒とは、上撰や佳撰というラベルが瓶に貼られているような日本酒です。
例えば、パックのお酒、ワンカップのお酒などが該当します。

気軽に日本酒を楽しみたいという方におすすめです。
これらの日本酒はコンビニエンスストアやスーパーマーケットで販売していることが多いです。

日本酒ランクの歴史

現在の特定名称にいたるまでのランク付けの歴史について解説します。
なお、日本酒のランク付けの流れに関しては諸説ありますので、ご注意ください。

明治時代(1603年~),大正時代(1912年~)

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19世紀後半から20世紀前半にかけて、日本酒がより庶民にも浸透するようになりました。
この頃の政府は、自製酒の製造を禁止し、酒税が定められるようになりました。
このときの国税収入額第1位は酒税でした。

昭和時代(1926年~)

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1937年、日中戦争あたりから日本と外国の戦争が激化するようになります。
兵士の軍需や干ばつが原因で、米不足となり、需要と供給のバランスが崩れ、「金魚酒(水で薄めた酒)」などの粗悪品が流通するようになりました。

1939年、政府は価格等統制法でアルコール度数や原エキス分で分類し、公定価格を定めました。
このときのランク付けは平等、中等、上等というものでした。

また、1940年、酒税を徴収する目的で酒税法を改正しました。

1943年、等級制度が定められます。初期は1級から4級の分類でした。
戦後から特級(優良なもの)、1級(佳良なもの)、2級(それ以外、審査を受けていないもの)となりました。

1963年頃、階級別に公定価格を制定し、1964年には日本酒の販売価格を自由化しました。

審査方法としては専門家が味、色、香りを審査します。
例えば、色がついていないものは不良扱いになるものもあったそうです。
一方、消費者はあくまでも審査は税務上の分類でしかなく、品質が良いか悪いかは関係ないと反発します。
そこで、良品が審査を受けずに2級酒の扱いをする「無監査酒」を販売するようになりました。

平成時代(1989年~)

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1990年、新たに「特定名称酒」制度が導入されました。
その後1992年に等級制度が廃止になり、旧特級→特撰、旧1級→上撰、旧2級→佳撰という階級に変更となりました。
この「特定名称酒」制度が現在も利用されています。

特定名称酒のおすすめ商品を紹介

これまで、日本酒のさまざまなランクについて解説してきました。
ここからはそれぞれのランクのおすすめ商品を紹介していきたいと思います。

純米大吟醸酒

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作(ざく) 「智(さとり)」 純米大吟醸 滴取り は国内外で多くの受賞歴のある清水清三郎商店が醸す純米大吟醸酒です。

本商品もフランスのKura Master2020にて最高賞のプレジデント賞を獲得しました。
作「智」は一回の仕込みで少量しかお酒がとれない「滴取り」で造られ、非常に希少な日本酒の1つです。
透明感にあふれた極上の1本で、贈り物にもおすすめです。

日本酒王子 近藤悠一
「KURA MASTER2020」の受賞酒トップ7すべてを利き酒した際に、思わずスタッフと一緒に笑顔になってしまったお酒です。

名称作 「智」 純米大吟醸 滴取り
蔵元清水清三郎商店株式会社
アルコール度数16%
使用米山田錦(三重県産)
精米歩合40%
おすすめの温度帯10℃前後
定価33,000円(税3,000円)/750ml

純米吟醸酒

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伯楽星 純米吟醸は日本酒初心者にもおすすめの「究極の食中酒」です。
食事と合うように香りや甘みを極力抑えて醸されているため、飲みやすくつい食事も盃も進んでしまう純米吟醸酒です。

宮城県産の酒造好適米「蔵の華」を使用し、滑らかな口当たりが特徴的で、3杯目あたりから徐々に旨味が増していきます。

日本酒王子 近藤悠一
私のYouTubeの忖度なしシリーズでもよく登場する、個人的にとても好きなお酒です。どこまでも飲み続けられて、色々なお料理と合わせることができる、正に『究極の食中酒』です。

名称伯楽星 純米吟醸
蔵元新澤醸造店(宮城県)
アルコール度数15%
使用米蔵の華(宮城県産)
精米歩合55%
おすすめの温度帯10℃前後
定価1,650円(税150円)/720ml

大吟醸酒

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西日本一高い山「石鎚山」のふもとに位置する石鎚酒造で醸された 石鎚 真精大吟醸 無濾過原酒 袋吊りしずく酒 です。
兵庫県産特A地区吉川産の特上山田錦を35%まで磨き、滴り落ちる雫のみを集めた大吟醸酒となっています。
メロンのような優しい香りと味わいが心地よい、安定感抜群の酒質です。

日本酒王子 近藤悠一
蔵元までお伺いしたときに、石鎚山のふもとにある蔵元に湧く水が、水の都である西条市の中で最も清廉な水なんです!と蔵元の越智さんが仰ったのが印象的でした。

名称石鎚 真精大吟醸 無濾過原酒 袋吊りしずく酒
蔵元石鎚酒造株式会社(愛媛県)
アルコール度数17%
使用米山田錦(兵庫県特A地区産)
精米歩合35%
おすすめの温度帯8℃前後
定価6,600円(税600円)/720ml

特別純米酒

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雨後の月 特別純米 十三夜は雨後の月を取り扱う店の中でもわずか8軒のみが取り扱う希少な特別純米酒です。

アルコール度数が13%と一般的な日本酒よりも低く設定されており、非常に飲みやすくなっています。
2016年にはANA全日空国際線のファーストクラスの日本酒にも採用されました。

日本酒王子 近藤悠一
ここまで透明感があって滑らかな低アルコールの日本酒はなかなかありません。『ぬる燗にしてカレーうどんに合わせたマリアージュが過去最高だった』とお客様から言われたのが忘れられません。

名称雨後の月 特別純米 十三夜
蔵元相原酒造株式会社(広島県)
アルコール度数13%
使用米山田錦(兵庫県産)
精米歩合60%
おすすめの温度帯10℃前後の冷酒 40℃前後の上燗
定価1,540円(税140円)720ml

純米酒

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七田 純米 山田錦 七割五分磨きは名ならブランドの代名詞ともいえる75%精米の純米酒です。
低精米ながら磨かれた味にするというコンセプトのもと造られた商品で、仄かなブドウのような香りと後切れの良さを演出する酸味が特長的です。

山田錦らしい洗練された味わいが表現され、飲みごたえのある酒質に仕上がっています。

日本酒王子 近藤悠一
モダンのニュアンスも含んだクラシックフルタイプです。お鍋と合わせて飲み始めて、ついつい1升瓶のほとんどを一晩で飲んでしまったほどのお酒です。

名称七田 純米 山田錦 七割五分磨き
蔵元天山酒造株式会社
アルコール度数17%
使用米山田錦
精米歩合75%
おすすめの温度帯【冷酒】12℃程度 【燗酒】50℃程度
定価1,595円(税145円)/720ml

本醸造酒

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愛宕の松 別仕込本醸造は「究極の食中酒」をテーマに色を引き立てる名脇役を目指す蔵元「新澤醸造店」によって造られた本醸造酒です。

ロンドンでおこなわれたIWC2022(インターナショナルワインチャレンジ)の本醸造酒部門で最高賞であるトロフィー賞を受賞しました。

アルコール感を感じさせない口当たりで飲みやすく、後味もキレがありすっきりとしています。
「愛宕の松」シリーズの中でも特定のルートしか卸さない限定流通品です。

日本酒王子 近藤悠一
これ、ブラインドでテイスティングしたら、吟醸酒や大吟醸酒だと間違われてもおかしくないと思います。

名称愛宕の松 別仕込本醸造
蔵元株式会社新澤醸造店(宮城県)
アルコール度数15%
使用米山田錦(兵庫県産)
精米歩合60%
おすすめの温度帯【冷酒】10℃前後の冷酒 【燗酒】40℃前後
定価1,100円(税100円)/720ml

特別本醸造酒

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画像出典:Amazonより引用

喜久酔 特別本醸造は穏やかな香りと上品な甘み、キレの良い喉越しが特長的な特別本醸造酒です。
地元静岡産の酵母を使い、きわめてクリアな酒質に仕上がっています。
冷酒から熱燗まで様々な温度帯で美味しくいただけます。

日本酒王子 近藤悠一
出荷されるP箱もピカピカに洗っておられることに感動します。とにかく綺麗な蔵元だからこそ、キレイなお酒になるんだと実感させられます。

名称喜久酔 特別本醸造
蔵元青島酒造(静岡県)
アルコール度数15~16%
使用米山田錦60%(麹)・日本晴60%(掛)
精米歩合60%
おすすめの温度帯冷酒、常温、ぬる燗(40℃)

吟醸酒

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陸奥八仙 ピンクラベル 吟醸は蔵元のある青森県のお米を使用して造られた吟醸酒です。
メロンやバナナのような芳醇な香りと旨味が口の中に広がっていきます。
日本食のみならず洋食にも合わせやすく、シーンを問わずに飲みやすい1本です。

日本酒王子 近藤悠一
これぞモダンの王道、というような華やかなお酒ですね。フルーティ好きな方やビギナーの方にぜひ味わっていただきたいです。

名称陸奥八仙 ピンクラベル 吟醸
蔵元八戸酒造株式会社(青森県)
アルコール度数16%
使用米青森県産米
精米歩合55/60%
おすすめの温度帯冷酒、常温
定価(八戸酒造公式オンラインショップ)1,980円/720ml

まとめ

日本酒は主に9種類に分けることができます。それぞれに良さや特徴があり、時や場合によって飲み分けられると良いと思います。

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