日本酒を知る 投稿日:2023年05月18日(木) 更新日:2023年09月29日(金)

清酒と日本酒は何が違う?知っておくべき特徴や種類について解説

さくら酒店編集部

清酒と日本酒の違いを聞かれて、パッと答えが浮かびますか?
両者は同じものを指していると考えている方も多くいるかもしれません。

広い意味で、清酒と日本酒は同じものを指すことがありますが、
それぞれ違った定義や原料を意味しています。

そこで今回は、清酒と日本酒の言葉の意味に加えて、
清酒の種類や分類方法、歴史、適切な保存方法などを詳しくご紹介していきます。

特に清酒の美味しい飲み方を、3つの温度帯に分けて解説していますのでぜひ参考にしてください。

清酒と日本酒の違い


清酒と日本酒それぞれの定義を原料、製法などの観点から解説し、2つの違いや特徴をご紹介します。

清酒とは

清酒の定義は酒税法によって➀原料、➁製法、③アルコール度数の観点から定められています。
これらの規定全てに当てはまるものを「清酒」と呼びます。

➀原料

■米、米こうじ、水

もしくは

■米、米こうじ、水、清酒かす、
その他政令で定める物品(麦やとうもろこし等またはこれらのこうじ、醸造アルコール等)

もしくは

■清酒、清酒かす

 

政令で定める物品は、その合計が米(こうじ米を含む)の重量の50%を超過しないものと定められています。

➁製法

原料を発酵させ、こして造ります。
布袋などを用いて発酵したもろみをこし、液体を取り出すこの工程を上槽といいます。

「こす」という操作があることがポイントになります。
この操作によって次第に色が透き通っていき、透明に近い色になります。

③アルコール度数

22度未満と定められており、22%以上のものはリキュールとして扱われます。

日本酒とは

日本酒とは、日本産米を用いて国内で製造したものを指します。

そのため、清酒と日本酒のどちらにも当てはまるお酒もあれば、どちらか一方にしか当てはまらないお酒も存在します。

一般的に日本古来のお酒の総称が「日本酒」であるため、本みりんや合成酒なども「日本酒」と呼ばれることがあります。

清酒の種類


清酒は大きく分けて「特定名称酒」と「普通酒」の2つに分けることができます。
特定名称酒となるための一定の条件が定められており、その条件に該当しない場合普通酒に分類されます。

特定名称酒

特定名称酒は純米酒系、吟醸酒系、本醸造酒系の3つのタイプに分けられ、さらに原料の米の精米歩合の違いによる規定に基づき8種類に分類されます。

純米酒系純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒
吟醸酒系吟醸酒、大吟醸酒
本醸造酒系本醸造酒、特別醸造酒

原料の米の精米歩合の違いによる規定は以下の通りです。

精米歩合が50%以下大吟醸酒、純米大吟醸酒
精米歩合が60%以下特別純米酒(例外あり)、特別本醸造酒(例外あり)、純米吟醸酒、吟醸酒
精米歩合が70%以下本醸造酒
精米歩合が定められていないもの純米酒

※特別純米酒、特別本醸造酒は60%以下である場合がほとんどですが、特別な製法を使用して造られている場合もこの呼び方が適応されます。

普通酒(一般酒)

普通酒(一般酒)は特定名称酒の条件に該当しないものの総称です。
普通酒の精米歩合は基本的には70%以上となっています。

ただし、稀にJAの等級検査で規格外となってしまったお米を使用した場合、純米醸造かつ精米歩合70%以下だとしても普通酒扱いとなります。

合成清酒とは

合成清酒とは、醸造アルコールやアミノ酸などを加えて味わいや色を清酒に似せたものを指します。
大正時代に起こった米の価格急騰による米騒動がきっかけで、貴重な米を極力使わずにお酒造りが進められました。
その結果、少量のお米から造られる合成清酒が誕生しました。

にごり酒やどぶろくは清酒に含まれる?

にごり酒とは、白いにごりのある日本酒を指します。
清酒は透明度の高いお酒というイメージがありますが、清酒の定義から発酵したもろみを「こす」操作をおこなっていれば濁っていても清酒ということになります。
にごり酒も製造の段階で「こす」工程があるため、清酒に含まれるといえます。

一方、どぶろくはもろみを「こす」工程がありません。
そのためどぶろくは清酒には含まれません。

清酒の歴史


清酒がいつ頃から造られるようになったのかは定かではありませんが、稲作が日本に伝わった縄文時代末期から弥生時代初期ではないかと言われています。
清酒造りは非常に古くから存在していたと言えます。

米の供給が安定してきた奈良時代には宮廷の行事のためにお酒が造られるようになり、平安時代には神社・寺院などでも酒造りが始まりました。
その後酒屋ができるなど、酒造りは時代の流れと共に盛んになっていきました。

室町時代にはもろみをこして清酒と酒かすに分ける「諸白造り」もろみを3回に分け入れる「三段仕込み」、加熱殺菌で発酵を止める「火入れ」、菌の繁殖を抑制する「乳酸菌発酵」など、酒造りの基礎が誕生しました。

江戸時代になると火入れの操作は一般的となり、現在の醸造アルコール添加の手法である「桂焼酎」と呼ばれる技術が生まれました。
この技術により酒質の低下を防ぎ、風味をより引き立てる方法が確立しました。
明治時代以降は機械の導入や技術の向上により業界は飛躍的に発展し、現在の酒造りの基盤を形成していきました。

清酒のおいしい飲み方


清酒は温度を変えることで違った味わいを楽しむことができるお酒です。
3つの温度帯に分けて名称や味わいをご紹介します。

冷酒

冷酒は温度が約5~10℃前後のお酒です。
5℃おきに名称があり、5℃の場合「雪冷え」、10℃の場合「花冷え」と呼ばれます。

冷酒はすっきりとした味わいと清涼感が特徴で、特に夏場にはぴったりなお酒です。
また冷やすことで清酒独特の風味を抑えることができるため、風味が苦手な方や初心者にもおすすめです。

常温(冷や)

常温(冷や)は温度が約15~20℃前後のお酒です。
15℃の場合「涼冷え」と呼ばれます。

常温が「冷や」とも呼ばれるのには、昔は冷蔵庫など冷やす手段となるものがなかったことに起因しています。
当時は温度を変えずにそのまま飲むか、温めて飲むかの2択であったため、温めたものより温度が低いという意味で「冷や」と呼ぶようになったと言われています。

常温(冷や)は清酒本来の味わいを楽しむことができます。

燗酒

燗酒は温度が約30℃以上のお酒です。
30℃の場合「日向燗(ひなたかん)」、35℃の場合「人肌燗(ひとはだかん)」、40℃の場合「ぬる燗」、45℃の場合「上燗」、50℃の場合「熱燗」、55℃以上の場合「飛び切り燗」と呼ばれます。

燗酒はお米の香りや旨みを感じられ、まろやかな風味を楽しむことができます。
温かくホッとすることができるこの飲み方は特に冬場におすすめです。
冷酒で飲んでみた際に口に合わないと感じても、温めてみたら自分の好きな味になることもあります。

自宅で簡単に燗酒を楽しむ方法として、電子レンジを使用して温める方法が最も手軽でおすすめです。
温めの目安は600Wで70秒前後ですが、温度によってその味わいも変わります。
様々な温度を試して自分の好きな温度を見つけられると良いでしょう。

清酒の保存方法と賞味期限


清酒は適切な環境で保管すれば長期保存が可能であるため賞味期限の記載はなく、製造年月の表示が義務付けられています。

具体的な賞味期限はありませんが、冷蔵庫で保管した場合、生酒は1週間ほど、火入れ酒は1ヶ月ほどが美味しく飲める期間と言われています。
ただしこの期限は飽くまで目安ですので、飲み手によって美味しく飲める期間も異なります。

清酒は直射日光に当たった状態や空気に触れる状況で保管されると、変色したり味や香りが落ちたりと急速に劣化してしまいます。

保管する際は冷暗所やキャビネットの中など直射日光を避けられる場所で保管しましょう。
火入れをしていない生酒や開封した清酒は低温環境が保たれた冷蔵庫で保管すると良いでしょう。

さくら酒店で取り扱っている「AQUA 日本酒セラー SAKE CABINET」は-10~10℃まで5℃間隔で5段階の温度設定が可能であり、日本酒に最も適した-5℃に保つことができます。
日本酒セラーを使用することでなるべく味わいを変化させることなく、美味しい状態で保管することができます。
日本酒の保存方法にお困りの際はぜひ一度ご覧ください。
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まとめ

清酒の定義は酒税法によって原料・製法・アルコール度数の観点から定められており、全てを満たすものが清酒と呼ばれます。
一方、日本酒は日本産米を用いて国内で製造したものを指します。

清酒には米が使用されており、その米が日本米でかつ日本製造された場合そのお酒は清酒であり日本酒でもあるということになります。
定義から考えるとどちらか一方にしか該当しないお酒も存在します。

清酒は大きく分けて「特定名称酒」と「普通酒」の2つに分けることができ、「特定名称酒」はさらに細かく分類され、最終的に8つのタイプに分けられます。

また清酒は温度帯により様々な味わいを楽しむことができるのでぜひお試しください。

清酒を美味しく飲むために、劣化させないよう適切な方法で保管することも重要です。

日本酒セラーなどを用いて適温環境で保管し、最も美味しい状態をお召し上がりください。

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