-
寒紅梅酒造株式会社(三重県津市)
「寒紅梅」醸造元
安政元年(1854年)創業。蔵は旅人と伊勢神宮を結ぶ伊勢別街道沿い(三重県津市)に位置します。家族の手造りから生まれる寒紅梅は、その名の通り梅酒が主力商品。現蔵元の増田氏本人もあまり自社の日本酒を飲むことはなかったと言います。それが2010年、多くの酒蔵から先生と慕われる「東一」蔵元の醸造責任者・勝木慶一郎氏の技術指導を受けたことで、寒紅梅の日本酒が一気に開花しました。世界最大規模の日本酒の審査会「Sake Competition」では毎年上位に名を連ね、2016年3月にはJAL国際線ファーストクラス・ラウンジ(成田・羽田)に「寒紅梅 純米大吟醸 朝日」がオンメニューされました。寒紅梅の快進撃が続きます。 -
若林酒造有限会社(島根県大田市)
「開春」醸造元
世界遺産・石見銀山のふもと、温泉津温泉郷のほとりに立つ酒蔵。3児の父でもあるイクメン杜氏の山口竜馬氏は、酒造りも子育て同様、自然に育つのを手助けするという考え方。データに頼り過ぎず、「こんなお酒になってね」という想いで醸す結果、のびのびとしたワイルドな酒が出来上がります。酒単体で完成形を目指すのではなく、料理と合わせて最大のパフォーマンスを発揮できるよう、酒の部分にはあえて余白を残すことを心掛けています。その姿勢はラベル右上の三日月にも表れており、「三日月のようにどこか欠けている酒でありたい」という蔵の想いを汲み取ることができます。 -
株式会社桑原酒場(島根県益田市中)
「扶桑鶴」醸造元
明治36年創業。日本で唯一、支流も含めて一切ダムのない一級河川である高津川系の水脈を使い、熟練杜氏の教えを受けた30代の若手が中心になって酒造りを行っています。お燗で美味しい食中酒を得意とし、肩ひじ張らずに飲み続けられるラインナップが魅力的です。 -
今西酒造株式会社(奈良県桜井市)
酒の神が鎮まる地・奈良県三輪で1660年に創業。日本最古の神社であり、酒の神様として全国の醸造家から篤い信仰を受ける大神神社のおひざ元で唯一現存する老舗酒蔵です。蔵に湧き出る井戸水はご神体・三輪山の伏流水。酒造り発祥の地と言われるこの場所で、フレッシュでお米の旨みがきれいに広がるお酒を醸しています。代表銘柄の「みむろ杉」は、2016年6月~8月の成田空港・羽田空港のJAL国際線ラウンジで提供されるなど今注目の酒蔵。14代当主である今西将之氏は1983年生まれ。先代の突然の死によって未経験のまま蔵を継ぎながらも、「圧倒的なお客様志向」と「自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ」の二つを心に決め、困難を乗り越えてきました。今では飲食業と宿泊業も展開するなど、既成概念に縛られない蔵元が業界に新風を巻き起こします。
-
畑酒造有限会社(滋賀県東近江市)
「大治郎」醸造元
蔵の創業者の名前であり、現蔵元杜氏の名前でもある「大治郎」は、高品質の純米原酒を目指して数年前に産声を上げました。元々は「喜量能(きりょうよし)」という地元銘柄で知られていましたが、より品質とこだわりを追求した「大治郎」は、そのパンチ力のあるヘヴィー級の旨みと深みにファンが急増中です。蔵元の畑大治郎氏は、自身の名が銘柄になっていることに当初は気恥ずかしさを感じていましたが、徐々に誇りと覚悟が増し、2012年にはご結婚もされ、ますます酒造りに没頭されています。言葉数の少ない職人肌の大治郎氏以上に、「大治郎」は高らかに想いを語りかけてきます。