料理酒に代用できるお酒は?料理酒の役割とおすすめの日本酒を紹介

料理酒を切らしてしまい、何かで代用できないかと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、そもそもなぜ料理酒を入れる必要があるのか疑問に思っている方もいらっしゃると思います。
ここでは料理酒の代用品としておすすめのお酒をいくつかご紹介しています。
あわせて料理酒の役割や代用料理酒を使う際の注意点、おすすめのレシピについてもご紹介しています。
さらに、料理酒も代用品もない場合の対応策についても記載しています。
目次
料理酒の役割とは?
料理酒を使うことは多くありますが、実際何のために入れているのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
料理酒の主な役割についていくつかご紹介します。
魚や肉の臭みを取り除く
料理酒を加えることで、食材の臭みを取り除くことができます。
特に魚や肉などの生臭さを消すために用いられることが多いです。
この消臭効果には、アルコールの沸点が約78℃であることが関係しています。
水より低い沸点を持つため、アルコールが揮発する際に、同時に一部の臭い成分も蒸発(揮発)していきます。
このため料理酒には食材の臭みを取り除く効果があります。
食材をやわらかくする
また料理酒には食材をやわらかくする役割があります。
これはアルコールには魚や肉などの水分量を保つ働きがあるためです。
料理酒にはアルコールが含まれているため、料理酒を入れることで加熱をおこなっても水分が逃げにくく、やわらかい仕上がりとなります。
アミノ酸成分がうまみやコクをプラスする
料理酒を加えると料理にうまみやコクをプラスすることができます。
料理酒に含まれているアミノ酸成分により、料理をさらにおいしくすることができます。
そのため様々な料理に必要な材料として記載されていることが多いです。
調理時間を短縮できる
調理酒を使うと食材に味が染み込みやすくなり、短時間での調理が可能となります。
料理酒に含まれるアルコールは分子量が小さいため食材に素早く染み込みます。
これによって他の調味料も食材に入り込みやすくなるため、結果的に調理時間を短縮することに繋がります。
菌の増殖を抑える
調理酒のアルコールの殺菌作用によって菌の繁殖や増殖を抑えることができます。
料理は放置しておくと腐ってしまいますが、これは菌の増殖が原因です。
菌の増殖を料理酒によって抑えることができれば保存がきくようになり、作り置きにも便利です。
料理酒の代用ができるお酒
調理の場面でよく使用する料理酒ですが、ちょうど切らしてしまった場面などはよくあるかと思います。
料理酒がない場合は別のお酒や調味料で代用することが可能ですが、それぞれの特徴を知っておくことが重要です。
料理酒がない場合に、料理酒の代わりとして使えるお酒をご紹介します。
日本酒
日本酒は普段から料理酒として使っている人も多く、料理の仕上がりを非常に良くしてくれます。
日本酒は料理酒に比べて風味や香りが豊かで、料理酒のように食材の臭みを消す働きもあります。
味もまろやかになり、ほのかな甘みを感じられます。
本みりん
料理酒がない場合、本みりんで代用することもできます。
みりんには本みりんの他にみりん風調味料というものがありますが、料理酒に代用できるものは本みりんのみです。
みりん風調味料は水あめや他の調味料を混ぜ合わせて作られた甘味料であり、アルコールはほとんど含まれていません。
そのため、アルコールの作用による食材の臭み消しや食材をやわらかくする効果などはありません。
一方、本みりんはアルコールが14%程度含まれているため、食材の臭み消しなど料理酒と同様の効果が期待できます。
本みりんを使うことで料理に照りツヤ、コクを出すこともできます。
また本みりんには甘さがあるため、砂糖の量に注意して甘さを調節する必要があります。
ワイン
ワインも料理酒の代用品として使うことができます。
魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワインを代用すると良いでしょう。
白ワインは酸味が強く、辛口のタイプがおすすめです。
料理の味わいを変えないためにも香りや酸味が強いものは避けると良いです。
赤ワインは色味が強いため、トマトソースを使った料理など色の濃い料理に使うと良いでしょう。
またぶどうの皮の渋みもあるため、濃い味の料理に向いています。
白ワイン、赤ワインともにクセのないものを選ぶと料理本来の風味を損なうことなく美味しく仕上がります。
ワインは一般的にブドウを使用して造られるため、和食などの料理に使用するのではなく、洋食に使用するイメージを持っておくことをおすすめします。
ビール
ビールも料理酒の代用品として使えます。
ビールには酵母が含まれており、肉料理に使うと肉のうまみを引きだし、やわらかく仕上げてくれます。
角煮のレシピに記載されていることも多いです。
ビールには甘さがないため、他の調味料で調節する必要があります。
梅酒
梅酒も料理によっては調理酒の代わりに使うことができます。
梅酒には多くの甘味が含まれているため、他の調味料によって甘さを調節する必要があります。
青魚の煮付けや肉を使った肉料理など、甘さが必要で味の濃い料理に向いています。
日本酒やみりんなどより糖分が多いため、入れ過ぎには注意が必要です。
料理酒の代用に向かないお酒
料理酒に代用できるお酒がある一方で、代用するのには向かないお酒もいくつか存在します。
それは焼酎やウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒です。
蒸留酒はアルコール度数が高く、また味や香りも強いのが特徴です。
そのため蒸留酒を料理に使ってしまうと、素材の味わいを消してしまうことになります。
他に代用できるものがどうしてもない場合、焼酎を使う事もできますが、高いアルコール度数をもつため量を少なめにするなどの工夫が必要です。
ただし、蒸留酒はフランベに適しており、調理方法によっては使用する場合もあります。
肉のソテーにブランデーを使ったり、角煮に焼酎を使ったりすることもあります。
料理酒の代用には日本酒がおすすめ
料理酒の代用品として、日本酒がおすすめです。
食材の臭み消しなど料理酒と同様の役割を果たし、さらにうまみやコクを引き立たせます。
日本酒の豊な香りもプラスされ、料理が一段と美味しくなります。
料理酒と日本酒の違い
料理酒と日本酒の違いとしてまず挙げられるのが「飲めるか・飲めないか」です。
料理酒は基本的に調味料として使用されることを想定しているためそのままでは美味しく飲めません。
一方、日本酒はそのまま飲むことができます。
つまり料理酒は「調味料」であり、日本酒は「酒」であるためそのまま飲める・飲めないの違いが生じています。
料理酒と日本酒の違いは味にもあります。
料理酒には塩分が添加されていますが、日本酒には塩分が含まれていません。
また料理酒の中には甘味料や酸味料が添加したものもありますが、日本酒にはそのような添加物が入っていないことが多いです。
料理酒の代用に向いている日本酒の種類
日本酒の代用に向いているのはお米のうまみを感じられる純米酒であり、精米歩合の低い吟醸酒や大吟醸酒は向いていません。
精米歩合とは精米して残った米の割合を指します。
精米歩合の低い吟醸酒や大吟醸酒は丁寧に磨かれ雑味が少ないためお酒として飲む場合にはシャープな味わいを楽しめますが、料理に使うとうまみがあまり感じられない場合があります。
そのため料理酒の代わりとして使うのであれば、お米のうまみが残った精米歩合の高い純米酒の方が向いています。
日本酒を代用する際の注意点
料理酒の代用品として日本酒を使う際の注意点について解説します。
塩分と甘みを調節する
料理酒は塩などが添加されていますが日本酒には塩分が入っていません。
そのためいつも通りの塩分量で日本酒を代用すると普段より薄味に感じるかもしれません。
また料理酒には水あめなどの甘味料が添加されているものもあり、この甘味料によって料理に甘みがプラスされています。
日本酒で代用した場合、料理酒を使用した場合と比べて甘みをあまり感じられないことがあります。
塩分や甘みなどは他の調味料で調節する必要があるという点が注意点の1つです。
しっかりとアルコールを飛ばす
日本酒はアルコール度数が15度以上であるものが多いです。
料理に使う際、アルコールが残っていると料理の味や香りに影響が出てしまう場合があります。
そのため、沸騰させてアルコール分をしっかりと飛ばす工程が必要です。
この工程を踏むことでアルコール臭も気にならなくなり、料理本来の味にも影響しなくなります。
料理酒に代用できるおすすめ日本酒
料理酒の代用には精米歩合が80%前後の低精白酒が向いており、特に濃厚な味わいが特徴的でクラシックフルな日本酒がおすすめです。
おすすめの銘柄を4種類ご紹介します。
七田 七割五分磨き 純米 山田錦 火入れ
精米歩合が75%と米の個性を十分に活かした純米酒です。
山田錦を使用しており、安定感かつボリュームのある旨みと力強さだけでなくふくよかな洗練された味わいも特徴的です。
七本鎗 純米 玉栄80%
地元契約農家による酒米「玉栄」(たまさかえ)を使用した精米歩合80%の低精白純米酒です。
玉栄は滋賀県産の契約栽培米です。
米の持つ旨みを最大限に活かした日本酒で、分厚い旨みがどっしりと構えています。
大治郎 山廃純米
伝統的な製法「山廃造り」で造られ、日本酒本来の味わいを表現した商品です。
太めの骨格と厚みのある凝縮された濃厚な旨味が特徴的です。
酒米には滋賀県産の契約栽培米「吟吹雪」が使用されています。
竹雀 生酛純米 岐阜県産山田
酵母無添加による生もと(きもと)造りで醸した大塚酒造「竹雀」ブランドの純米酒です。
岐阜県産の山田錦が使用されており、適度な枯れ具合と凝縮感のあるカカオ系の旨みを感じられます。
「お料理と支え合う柱のような酒」を目指して造られた商品であることからも、代用におすすめできる1本です。
代用料理酒を使ったおすすめのレシピ
料理酒の代用として主に日本酒を使って作るおすすめの料理とレシピをご紹介します。
あさりの酒蒸し
日本酒を使ったあさりの酒蒸しです。
あさりは海水を含んでいるため、塩分が添加された料理酒を使うと塩分調整が難しい場合があります。
塩分が添加されていない日本酒を使うことで塩分調節がしやすくなり、丁度良い塩加減にすることができます。
日本酒によってあさりのうまみが引き出された最高の一品です。
材料(2人分)
アサリ | 3掴み |
日本酒 | 半カップ |
塩 | 2つまみ |
作り方
➀3%程度の濃度の塩水を作り、その中にアサリを入れて塩抜きします。塩水はあさりがひたひたになるくらいの量がベストです。
➁すべての材料をフライパンに入れ、弱火で5分以上蒸し焼きにします。
③アサリの殻が開いたら完成です。
鶏の唐揚げ
日本酒を使った鶏のから揚げです。
日本酒によって鶏肉がやわらかくなりジューシーな仕上がりになります。
大人から子どもまで楽しめる一品です。
材料(4人分)
鶏肉 | 600g |
油 | 適量 |
片栗粉 | 適量 |
(A)日本酒 | 大さじ3 |
(A)醤油 | 大さじ3 |
(A)すりおろしニンニク | 適量 |
(A)すりおろし生姜 | 適量 |
(A)おろし玉ねぎ | 小さじ1 |
(A)砂糖 | 小さじ1/4 |
(A)みりん | 小さじ1/4 |
作り方
➀鶏肉を食べやすい大きさに切ります。
➁ボウルに鶏肉と(A)を入れて揉み込み、15分以上漬け込みます。
③鶏肉に片栗粉をまぶします。
➃鶏肉を160~170℃で茶色く焼き色が付くまで揚げます。
➄一旦バットの上に取り出して4分程度休ませます。
➅油の温度を190~200℃に上げ、再び30秒程揚げたら完成です。
料理酒(代用品)はなくても良いのか?
料理酒も代用品もない場合、使わなくても他の調味料などで対応することが可能です。
魚や肉の臭みを消したい場合は、生姜やニンニク、レモン汁などで代用することができます。
特に魚の臭み消しには、皮にしっかりと焼き目をつけたり、下ごしらえの際に塩を振って数分置いたりするなどの対応方法があります。
最終的にどのような味に仕上げたいのかを考えて香味野菜などを選び、対応すると良いでしょう。
料理酒は様々なお酒で代用できる!特に日本酒がおすすめ
料理酒には食材の臭み消しや食材をやわらかくする、味を染み込みやすくする、うまみやコクをプラスするなどの役割があります。
料理酒を切らしてしまった場合は、日本酒や本みりん、ワイン、ビールなど様々なお酒で代用することができます。
特に日本酒は料理酒の持つ役割を果たしながらさらにうまみを引き立たせ、豊かな風味も加わって一段と美味しい料理になるためおすすめです。
日本酒の中でも精米歩合が高く、お米のうまみが感じられる純米酒を使用すると良いでしょう。
料理酒の代わりに日本酒を使う際は塩分や甘みの調整をおこなうこと、アルコールをしっかり飛ばすことを意識しましょう。
普段使っている料理酒を日本酒で代用するだけで新しい味わいに出会えるかもしれません。
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