まずい・苦手と感じた日本酒のおすすめアレンジ!嫌厭される理由と解決策
買った日本酒が口に合わなかった、日本酒が苦手なのにお歳暮などのギフトでもらってしまったなど、手元にある日本酒の扱いにお困りの方もいらっしゃるかもしれません。
実は飲む際の温度や食器、一緒に合わせる食事、カクテルなどへのアレンジなど、工夫次第でまずいと思っていた日本酒を美味しく飲めたという方は少なくありません。
そこで今回は、日本酒をまずいと感じた際のよくある理由を解説するとともに、ご自宅にあるもので簡単にできる日本酒の美味しい飲み方を詳しく解説します。
日本酒が苦手な方や飲み慣れていない方におすすめの日本酒選びのポイントも解説するので、ぜひ本記事をお役立てください。
日本酒がまずいと感じる理由・ポイント
日本酒がまずいと感じるポイントは人によって異なりますが、よくある理由は大きく3つに分かれます。
ここではそれぞれの理由について、背景にある日本酒の豆知識なども交えてご紹介します。
日本酒特有の味わいに慣れていない
日本酒をまずいと感じてしまう場合に考えられる理由の1つ目は、日本酒特有の味わいに慣れていないというものです。
日本酒は他のお酒と比べて香りや風味が強いため、慣れていない方は思わず「まずい」と感じてしまう場合があります。
この特有の味わいは、日本酒ならではの製造過程に秘密があります。
特有の味わいの秘密①醸造酒ならではの深み
日本酒は醸造酒と呼ばれるジャンルのお酒のひとつで、お米を発酵させたものを濾過して製造されています。
これに対してウイスキーや焼酎などの蒸留酒と呼ばれるお酒は、醸造酒を加熱し一度気化させたものを再び液体に戻す蒸留工程を経て製造されます。
蒸留酒はこの蒸留でアルコールと水分、香り成分以外の含有物が取り除かれますが、日本酒のような醸造酒は多くの栄養素や旨みのもととなる成分がお酒の中に含まれています。
つまり、醸造酒という性質上さまざまな成分が含まれているため、日本酒特有のより複雑で深みのある味わいが生まれているのです。
特有の味わいの秘密②並行複発酵ならではのまろやかさ
醸造酒に分類されるお酒は日本酒の他にもワインやビールなどがありますが、同じ醸造酒であっても味わいは全く異なります。
言わずもがなではありますが、味の違いが生まれる理由は原材料にあります。
ワインはブドウなどの果実、ビールは大麦を発酵させて造るのに対して日本酒は酒米と呼ばれるお米を使用します。
実は同じ醸造酒であっても原材料によってお酒を発酵させる方法が異なるため、日本酒には特有のまろやかな味わいが生まれます。
少々専門的な話にはなりますが、発酵は糖分と酵母とが反応することで起こります。
ワインの場合は原材料である葡萄に元々糖分が含まれていますが、米や大麦は穀物中のデンプンを糖に分解する糖化という工程が必要になります。
ビールの場合は糖化をした後に酵母を加えるという形で二段階に分ける必要がありますが、日本酒の場合は糖化と酵母による発酵を同時進行でおこなう「並行複発酵」という造り方が可能です。
そのため日本酒は糖化と発酵が同時にバランスよく進むので、他の醸造酒にはないまろやかな味わいが生まれます。
度数が比較的強い
日本酒はビールや酎ハイなどと比べてアルコール度数が高いため、美味しく味わえないという方も少なくありません。
市場に出回っている日本酒の一般的なアルコール度数は15%〜16%程度です。
一般的なビールのアルコール度数は5%前後、缶酎ハイは5〜9%程度であることを考えると、比較的強めのお酒といえるでしょう。
こちらの記事では、日本酒のアルコール度数が高い理由や、二日酔いを防ぐポイントについて解説しております。
▶︎日本酒のアルコール度数ってどのくらい?おすすめな飲み方やカクテルも紹介
アルコール臭が嗜好に合わない
日本酒を口に含んだ際にツンと鼻をさすようなアルコール臭を感じるのが苦手だという方もいます。
日本酒の中には完成した日本酒に後から醸造アルコールをブレンドしたものもあり、このような銘柄は特にアルコールの匂いが強い傾向にあります。
また日本酒は熟成期間や濾過の方法、加熱処理の有無など製造方法によって味に変化をつけやすいお酒なので、銘柄によって好みがはっきり分かれることも多いです。
口にした日本酒がまずいと思った方でも異なる銘柄は美味しく感じる場合も多々あるので、日本酒という大きな括りで好きか嫌いかを判断するのは難しいといえるかもしれません。
まずいと感じた日本酒を美味しく飲むポイント
頂き物の日本酒など、手元に自分の口に合わない日本酒があって困っているという方もいらっしゃるかもしれません。
実は日本酒というのは飲む際のひと工夫でその味わいが大きく変わるお酒です。
試しに飲んだ際には美味しくないと思った銘柄でも、飲み方によっては好みの味わいに変わったというケースも珍しくありません。
ここでは口に合わなかった日本酒にぜひ試していただきたいひと工夫を7つご紹介します。
種類に合わせて温度を変える
日本酒には温度によって味や香りの感じ方が大きく変わるという特徴があります。
日本酒の常温である15〜20℃はそのお酒の個性を最も感じやすいとされており、香りや旨み、甘みなどのクセがはっきりとあらわれます。
もし手元にある日本酒を常温で飲んで美味しく味わえなかった場合は、ぜひ温度調節を試してみましょう。
なお日本酒は温度ごとに「花冷え」「ひなた燗」といった小粋な呼び名がありますが、ここでは簡単に「冷やして飲む」「人肌程度に温めて飲む」「しっかり温めて飲む」という3つに大別して味の変化を解説します。
冷やして飲むと香りが抑えられる
5〜10℃程度に日本酒を冷やすと、香りや甘みが抑えられ淡白ですっきりとした味わいになります。
お手持ちの日本酒の香りが苦手な場合や、食事の香りを崩したくない場合などは低めの温度で飲むと美味しく楽しめるでしょう。
人肌程度なら香りや味を引き出せる
反対に30〜40℃程度の人肌に温めると香りや味に膨らみが出ます。
味や香りが弱いと感じるお酒は、ぜひ軽く温めて見てください。
また加熱することでアルコールが少し和らぐので、アルコール臭をおさえたいという方にもおすすめです。
しっかり温めることで香りや味をしっかり感じられる
45〜50℃までしっかりと温めると、香りや味がはっきりと現れます。
またアルコールが飛ぶため口の中でマイルドに味が広がるのも特徴です。
ゆっくり飲み進めることで次第に温度が下がることで起こる味の変化を楽しむことができるので、美味しい飲み方を確かめながら探したいという方にもおすすめです。
しばらく時間を置く
開栓後はなるべく早く飲むというのが一般的な認識ですが、口に合わなかった日本酒の場合あえて少し時間を置いてみるのもひとつの手です。
そもそもできるだけ早く飲むというのは、空気に触れて味が変化してしまう前に味わうことが目的のひとつです。
そのため、特に生酒などの味の変化が激しいものは数日経ってみた方が口に合う可能性も考えられます。
ただし、基本的に職人は開栓直後を完成形としてこだわり抜いて味を調節しており、時間が経ったからといって必ず美味しくなるとは限りませんのでご注意ください。
デキャンタで飲む
空気に触れると味が変わるという点を活かしたひと工夫として、日本酒をデキャンタに移し替え、グラスに注ぎながら楽しむという方法があります。
デキャンタはワインなどによく用いられる大きめの容器ですが、片口や大ぶりの湯呑みで代用しても問題ありません。
移し替える際に一度空気に触れることで、香りが広がり味わいもまろやかになります。
変化をさらにつけたい場合は2つの容器を使用し何度か繰り返し移し替えてみてもよいでしょう。
口のひろいグラスで飲む
飲む際に使用するグラスを変えるという方法もあります。
日本酒と聞くとお猪口と徳利や細めなグラスのイメージが強いですが、最近ではワイングラスや口の広いグラスで味わう人も増えています。
お猪口とは違って鼻先がグラスの内側に近づくため、より強く香りを感じることができます。
香りが弱いと感じた日本酒を味わう際にもおすすめです。
日本酒にあう食事やおつまみを選ぶ
お酒を楽しむ際には、一緒にいただく食事やおつまみとの相性も重要です。
日本酒の味わいに合わせて食べ物を選ぶことで、味の感じ方に変化が生まれます。
特に日本酒にはアミノ酸が多く含まれているという特徴があるので、同じようにアミノ酸を多く含む料理や食材と相性抜群です。
日本食であれば湯葉や醤油、味噌といった大豆製品やチーズなどの乳製品、肉類と合わせることで、日本酒の旨みを引き出すことができます。
また日本酒は魚の生臭さを抑えてくれるので、寿司や刺身、イカの塩辛などと合わせるのもおすすめです。
そのまま飲まずに料理に活用する
どうしても美味しく味わえない場合は、料理を作る際の調味料として日本酒を活用してみるのもよいでしょう。
日本酒には魚の生臭さを抑える働きがあるとお伝えしましたが、他にも肉を柔らかくしたり、味付けを食材に染み込みやすくしたりと料理に嬉しい効果が多くあります。
日本酒に含まれるアミノ酸によって旨みやコクも出すことができるので、料理酒の代わりに活用するのもおすすめです。
こちらの記事では日本酒を料理酒に代用する際の注意点などを詳しくご紹介しているので、ぜひ本記事と合わせてご活用ください。
▶︎料理酒に代用できるお酒は?料理酒の役割とおすすめの日本酒を紹介
水やジュースなどで割ってアレンジする
日本酒はそのままストレートで飲むイメージが強いですが、実はさまざまなものと組み合わせても美味しくいただけるお酒です。
特に近年は日本酒カクテルが注目を集めており、日本酒初心者の方でも楽しめると人気です。
日本酒の味がそもそも苦手という方も、次にご紹介するレシピをぜひ一度お試しください。
まずいと感じた日本酒のアレンジレシピ
お手持ちの日本酒をアレンジして楽しむ際におすすめのレシピをご紹介します。
なかなか思いつかないような意外なレシピもご紹介するので、ぜひお試しください。
水で割る
日本酒の水割りは、甘口で味がしっかりとした銘柄におすすめのアレンジ方法です。
香りと甘みが程よく和らぐため、日本酒特有の味わいにまだ慣れていないという方でも楽しみやすいでしょう。
加える水の量の目安としては、日本酒8に対して水2程度がおすすめです。
冷たいほど酸味が増すので、加える水の温度はお好みに合わせて調節してみてください。
ジュースで割る
アルコール臭や特有の香りを和らげられるジュース割りも人気が高いアレンジ方法です。
特にライムやグレープフルーツ、レモンといった柑橘系のジュースを合わせると酸味が爽やかで日本酒もすっきりと味わうことができます。
カクテルを好んで飲むという方にもおすすめの飲み方です。
トニックウォーターで割る
すっきりとした辛口の日本酒は、同じく苦味と炭酸ですっきりとした味わいのトニックウォーターと相性がよいです。
日本酒に炭酸が加わることでキレや爽快感が増すので、すっきりと日本酒を味わいたい方におすすめです。
お茶で割る
すっきりとした飲み心地がお好みの方には、日本酒を緑茶などのお茶割りでいただくのもおすすめです。
特に緑茶は程よい苦味と渋みが日本酒の香りを引き立てます。
また食事にもあうので、夕食時に日本酒を飲みたいという方にもおすすめです。
こちらの記事で緑茶割りの詳しい作り方や緑茶と相性のよい日本酒をご紹介しているので、興味をお持ちの方はこちらもご参照ください。
▶︎日本酒の緑茶割りはアリ?美味しい作り方とおすすめの日本酒を紹介
コーヒーと合わせる
意外に思われる方も多いかもしれませんが、日本酒とコーヒーの組み合わせもファンが多いレシピのひとつです。
コーヒーのすっきりとした苦味が日本酒のフルーティな香りとマッチするので、日本酒のクセがやわらぎます。
ふくよかな甘みのあるものから酸味や果実のような香りのものまで、合わせる日本酒の種類によって異なるおいしさが楽しめる点も魅力のひとつです。
甘いコーヒーがお好きな方は砂糖や練乳を加えてみると、コーヒーと日本酒の接着剤となってさらに一体感のある美味しさになるのでおすすめです。
出汁を加える
フグのひれを使ったひれ酒のように、日本酒は旨み成分の強い食材と合わせても美味しいお酒です。
そこでご家庭でも気軽に試せると人気なのが、出汁割りです。
日本酒1に対しておでんの出汁や鰹、昆布などお好みの出汁が3の割合になるように加えるだけで、出汁の旨みと日本酒の香りがマッチした味わいを楽しめます。
日本酒カクテルは他にも
ジュースやトニックウォーター、コーヒーなど日本酒のアレンジレシピは近年人気が高まっており、「日本酒カクテル」というジャンルを耳にする機会も増えてきました。
実は「日本酒の〇〇割り」ではなく、レシピごとにお洒落なカクテル名も多数名付けられています。
例えば日本酒のトマトジュース割りはレッドサン、ライムシロップ割りはサムライ・ロックというカクテルです。
カクテルの名前を覚えておくとお店でも頼みやすいので、興味がある方はレシピと一緒に調べてみてはいかがでしょうか。
こちらの記事では今回ご紹介しきれなかったレシピも含め、日本酒カクテルの種類を詳しくご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
▶︎新感覚!?どんな方でも楽しめる日本酒カクテルや日本酒の割り方を解説
初心者でも飲みやすい日本酒の選び方
日本酒はその香りや風味が魅力のお酒ですが、その味わいに慣れるまでは少々ハードルが高いと感じる方も少なくありません。
最後に初心者の方でも挑戦しやすい日本酒を選ぶポイントを3つご紹介します。
また、こちらの記事では日本酒が苦手な方にぜひ飲んでいただきたいおすすめの銘柄を15種類ご紹介しているので、合わせてご参照ください。
▶︎【特徴別にご紹介】初心者や日本酒が苦手な方でも飲みやすい日本酒15選
アルコールの味が苦手な方はフルーティなものを
日本酒の通販サイトや店頭のポップ、パッケージの多くにはそのお酒の味や香りの特徴が記載されています。
そこで日本酒初心者の方にチェックしていただきたいポイントは、フルーティさです。
日本酒の中にはその甘みや酸味、香りがフルーツのようだと称されるものも多いです。
フルーティな味わいの日本酒はアルコール臭さを感じにくい傾向にあるため、日本酒のアルコール臭が苦手という方にはおすすめです。
日本酒初心者はバランスのよい純米大吟醸を
そもそも日本酒の味がよくわからない、ほとんど飲んだことがないという日本酒初心者の方は、日本酒の中でも「純米大吟醸」という種類のものがおすすめです。
純米大吟醸とは、米・麹・水のみで造られた精米歩合50%以下の日本酒です。
精米歩合とは精米する際に何%お米を残すかを示します。
そのため精米歩合50%以下の純米大吟醸はお米の半分以上を削っており、比較的すっきりとした味わいの銘柄が多いです。
また醸造アルコールを加えて調節されていないため、アルコール臭もさほど強くないという特徴があります。
そのほかの種類と比べて純米大吟醸は味や香りのバランスがよいので、初心者の方がはじめに試すのにおすすめです。
精米歩合や純米大吟醸以外の日本酒の種類、味の特徴をこちらの記事で解説しているので、興味をお持ちの方はぜひご参照ください。
▶︎精米歩合とは?基礎知識からマニアックな知識まで徹底解説
甘みが苦手な方は辛口のものを
日本酒の味の特徴として、お米ならではの甘みが強いと感じた方も多いのではないでしょうか。
このようなまろやかでしっかりとした甘みが苦手という方は、ぜひ辛口の日本酒をお試しください。
使用する酒米や精米歩合、熟成期間など造り方によって味わいに変化がつけやすい日本酒には、すっきりとしたキレのある辛口の銘酒も数多くあります。
「日本酒=甘い」というイメージでこれまで嫌厭嫌煙してきた、という方はぜひパッケージや商品説明で「辛口」と記載されているものを選んでみてください。
この辛口や甘口という分類は、日本酒度と呼ばれる日本酒に含まれている糖分量の指標に基づいて決まります。
日本酒度が高いものほど糖分量が少なく辛口の味わいになるので、日本酒選びの際のチェックポイントのひとつです。
こちらの記事で日本酒度の詳しい解説をしておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。
▶︎日本酒度とは?知って得する日本酒度を徹底解説!
まとめ
日本酒をまずいと感じる理由は、日本酒ならではの特徴的な味やアルコール度数、アルコール臭にある場合が多いです。
日本酒は複雑で深みのある味が特徴の醸造酒の一種で、並行複発酵ならではのまろやかな味わいが特徴です。
ただし使用する原材料や精米歩合、熟成期間などの製造過程でさまざまな味に調整できるため、一括りに「日本酒とはこんな味でこんな特徴がある」とは言い切れません。
温度や使用する食器、合わせる食事で味わいが変わるのはもちろんのこと、近年では魅力的な日本酒カクテルのレシピも増えています。
日本酒が苦手だと感じていた方でも一工夫で日本酒の虜になるケースもあるので、ぜひ一度お手持ちの日本酒をアレンジしてみてください。
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